役割が得点を呼ぶ:日本対中国@味スタ

 東アジアサッカー選手権の日本男子代表対中国男子代表の試合をテレビで見た。結果は、0‐0の引き分け。その感想みたいなもの。

 日本のスタメンは、GK楢崎正剛、DF内田篤人、田中マルクス闘莉王、中澤佑二、長友佑都、MF中村憲剛、遠藤保仁、稲本潤一、大久保嘉人、FW岡崎慎司、玉田圭司。テレビ局は、大久保がMF登録と言うこともあって中盤がフラットの4‐4‐2と紹介していたが、中に岡崎、右に玉田、左に大久保の4‐2‐1‐3だったのではないかと思う。個人的には、稲本をワンボランチにして、フォワード3人の後ろに遠藤と中村憲が控える形でも良いと思うが、目の前で見たわけではないのと、遠藤が中盤の底からパスを出す場面が多かったので、ダブルボランチと見ておく。

 さて、岡田監督がどの様に考えているかは知らないが、机上の論理としてこの4‐2‐1‐3を考えてみる。昨年の湘南ベルマーレと同じく、左利きの玉田が右、右利きの大久保が左にいると言う事は、両サイドがある程度サイドの深いところに入り、そこから中に入るか、クロスを上げるかサイドバックのそのお手伝いをすると言う事になる。左サイドバックで苦労した湘南でさえ、島村毅が阿部吉朗又は中村祐也の外を回ってサイドに突っ込む場面を見た。或いは、その2人を使って内に入りシュートやスルーパスを狙う場面を見た。同じことは、日本代表でも出来るはず。ところが、序盤はまだ良かったものの、途中から玉田と大久保が中に入り始め、内田と長友の攻撃参加が単純なものになっていった。

 ベネズエラ戦で「大久保が左サイドに張るようになってから良くなった」と、私はここに記した。あの話は、ベネズエラ戦のみで通用する話ではない。大柄な選手を揃えた中国相手でも、ワールドカップ本選で対戦するカメルーン、オランダ、デンマーク相手でも通用する話だと思う。長友佑都が試合後に「ベネズエラ戦よりもやりやすかった」と言ったのは、中国がベネズエラのようなプレスを掛けなかったことが理由ではなく、大久保が途中までとは言えサイドに張っていたことが理由だと思う。長友のコメントは、サイドバックとサイドハーフ又はウイングとの“縦の関係”の重要性を表したものだと思う。そのことからも、「大久保が左サイドに張るようになってから良くなった」はほぼ全ての試合について通用するものと言える。

 同様に右サイドでは玉田と内田が縦の関係を保って、サイドを攻略する。すると、内田のクロスも玉田の切れ込むドリブルも、より威力を増してくると思う。しかし、玉田が中に入ってしまうと、後ろの内田は孤立してしまう。この2人が面白い関係を見せたのは一度だけあった。玉田が右サイドのセンターライン付近にいて隣にいた遠藤にパスを出した。玉田が中国選手を引き付けていたかは微妙だが、右サイドに大きなスペースが出来ていて、そこを内田が突いた。そこに遠藤がパスを出してチャンスになった。仮に内田がボールを失っても玉田が後ろをカバーしている為、チームとして危険にはなりにくい。また、その様になれば、内田が後ろ髪を惹かれることなく前に行ける。ゴールにはならなかったが、この様な場面が増えてくれば、どのチームが相手であれ面白い場面を作れる。

 試合後、日本代表は大ブーイングを受けた。多分、それは「2試合も続けてゴールが奪えず、その臭いすら出せないのはどう言う事だ!」と言う不満だと思う。しかし、何も無かった訳ではない。右でも左でも、玉田と大久保がそこに居て存在感を出せば、面白い臭いは出せていたと思う。そして、ベネズエラ戦では、短い時間ながらもそれを出していた。つまり、彼らは有効な攻撃方法を知っていたことになる。しかし、知っていながら、それをしなかった。そのことに対して、私は大きな不満を持っている。岡田監督は難しい状況でもゴールが決められる、精度の良いクロスが上げられることを選手に求めているようだが、果たして、それが4か月で出来るのだろうか。多分、無理だと思う。それよりも、簡単な状況でシュートを撃つ、クロスを上げることを目指した方が、話は早い。それが、イビツァ・オシム氏の言う「考えて走るサッカー」であり、「パスサッカー」なのだと思う。千葉からオシムを奪い取った“付け”が、こんなところに回って来ているのかもしれない。


【補足の蛇足】
 この東アジアサッカー選手権だが、日本では「代表選手のサバイバルマッチ」と言う様相が強い。当の岡田監督も、その様な発言をしている。個人的には、「公式戦でガチンコ勝負なのに、何故、練習試合の様な感覚でいられるの?」と思う。マスコミは、「勝つのは当たり前で、日本代表としての重要な仕事は“使える選手の模索”である」となっている様子。監督が勝つために行動を取らなければ、選手もくそもないと思うのだが…。

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