同じ機嫌の風車:湘南ベルマーレ対東京ヴェルディ@平塚競技場(2009年11月8日)

 8日に平塚競技場で行われたJ2公式戦第48節、湘南ベルマーレ対東京ヴェルディの試合を見に行ってきた。その観戦記みたいなもの。

 湘南のスタメンは、GK野澤洋輔、DF臼井幸平、ジャーン、村松大輔、島村毅、MF田村雄三、寺川能人、坂本紘司、FWアジエル、田原豊、中村祐也。ベンチは、GK植村慶、DF山口貴弘、MF永田亮太、FWリンコン、阿部吉朗。「リンコンは、何かのときのパワープレー要員であろう」と思っていたが、まさか、その出番が来てしまうとは…。

 前半の立ち上がりは、湘南のペースだった。チェイス&チェックが上手く行っていたのかは分からないが、ボール奪取の場面は多く、東京Vが自らボールを失うことも少なくなかったので、湘南の守備は上手く行っていたと言えよう。その東京Vがボールを失うところからビッグチャンスを得る。前半26分、詳しい状況は良く見えなかったのだが、東京Vのパスを田原豊がカットして、ドリブルで持ち込んだ。そこから左サイドをノーマークで上がっていた寺川能人に渡して、寺川が冷静に左足でゴールに流し込んだ。

 マスメディアとは異なり、ここまでは湘南のペースだった、と私は考えている。しかし、点を取ったことにより受け身になってしまったのか、東京Vにサイドからの攻撃を、繰り返し、許すようになる。そして、42分、右サイドからのクロスに井上平が頭で合わせて、湘南のゴールネットを揺らした。前半は、1‐1で折り返した。この失点に関しては、「姿勢を誤ったものが受ける罰」として捉えている。私は、「ハーフタイムの指示でここを変えない限り、得点も勝利も無い」とスタンドで考えていた。

 後半も、東京Vのサイドからの攻撃は止まない。サイドから攻撃されること自体は、湘南の布陣の欠点とも言えるものだから仕方ないのだが、やはり、やられすぎている感は否めなかった。16分にレアンドロのゴールで東京Vに2点目が入るのだが、この失点の前からだったか、この失点がきっかけだったのかを忘れたが、経験の少ない湘南の選手が“飛び込んでしまう守備”を見せるようになり、良いようにサイドをドリブルで突破されていた。その結果が16分のレアンドロのゴールだったと、私は記憶している。経験のある寺川やジャーンは冷静に相手の選択肢を消していくのだが、経験の少ない若い選手たちは飛び込みっ放しだった。それは、最後まで直らなかった。

 さて、この焦りは攻撃のときに激しさを増していく。細かいパスが繋がらなくなるのは見慣れているのだが、そこに無理なタイミングでのドリブルも加わって、本当に不用意にボールを失う場面が多かった。だから、“湘南の猛攻”にならない。東京Vに“本当の余裕”があったら、このまま1‐2で試合を終わらされていただろう。しかし、湘南は中村に代えてリンコン、坂本に代えて永田、田村に代えて阿部を入れて状況の打破を狙い、そして、ロスタイムに阿部のゴールで同点に追い付いた。次のキックオフを許さなかったから、本当に終了間際の同点弾だった。東京Vにとっては、内容と釣り合わない結果になったと言える。湘南にとっては、九死に一生を得た、と言える結果だった。

 今の湘南の選手には、「たんと売れても、また売れぬ日も、同じ機嫌の風車、商い大事にしやしゃんせ」の言葉を贈っておく。この言葉は商売人の心構えを示したものだが、ほぼ、同じことがサッカー選手にも言えるだろう。尤も、サッカー選手も、プロならばそれで飯を食っているから、商売人と言っても差し支えなかろう。点を取ってリードしている時も、点を取られてリードされている時も、選手として行うことはただ1つ。相手からボールを奪って、それをシュートに持っていく。そのために、チームとしての約束事を練習している。今季の湘南は、相手の選択肢を減らして最後のポイントで網に掛けてボールを奪い、奪ったボールは細かくパスを繋いで相手の守備に隙を作り確率の高い状態でシュートを打つ、を目標として掲げている。どの様な状態でも、これを繰り返すのが“商売人”サッカー選手の取るべき態度。難しいことだとは思うが、それが欲しい結果への近道だと思う。

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この記事へのコメント

HIRON
2009年11月11日 19:34
こんばんわ。自分も観戦していました。
あとで録画を見ると、書かれている通り、
「飛び込んでしまう守備」をしていたことが
はっきりしていますね。
寺川などのベテランはさすがだな、と
改めて感じました。

あと3試合、何とか頑張ってもらえるように
応援したいと思います。
2009年11月12日 00:01
HIRONさん、コメントを頂きまして有難う御座います。

サッカーにおける守備はどうしても後手を踏むものなので、守備側が焦って飛び込んでしまったらおしまい、と聞いています。仲間との協力で奪うポイントに誘い、そこでボールを奪う。これがボール奪取の基本となるようです。何にしても、“気持ちの問題”だと思います。彼らには「焦らず、落ち着いてやってちょうだい」とだけ言っておきます。まあ、楽しい試合は見せて貰ってますので(笑)。

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