「申し訳ありません」と「申し訳ないです」

 2014年3月9日のフジテレビ『日本語探Qバラエティクイズ!それマジ!?ニッポン』を見ていた時のこと。珍しく、Twitterでぼやぼやとさえずりながら見ていた。番組中、「林チェック」なるものがあり、日本語マスターとして出演している林修氏(東進ハイスクール講師)が他の出演者の気になる言葉に対して行うものである。誰が言ったのかは覚えていないが、「申し訳ありません」に林氏がチェックを入れないのを見て「あれ?『申し訳ありませんでした』に林チェックは入らないのか。『申し訳ない』で一つの単語で、『申し訳ありません』ではないのよね」とTwitterで発言したら後日、それは正しい日本語で「申し訳ないです」が文法として間違っていると返信を受けた。そこで、改めて調べなおしてみた。

 まず、「申し訳ありません」の元になる「申し訳ない」。「何処の辞書を見ても」と言いたいが、私は辞書好きの芸人でもないので、ウェブ上に公開されていて私が見つけたデジタル大辞泉を見てみた。「申し訳ない」の品詞は、形容詞。丁寧な「補説」が載っており、「『申し訳』に『ない』の付いた複合形容詞で一語とするが、『申し訳』は名詞としても使われ、『申し訳がない』『申し訳が立たない』という言い方もある。従って丁寧にしようとして『申し訳ありません』『申し訳ございません』と言うことは、一概に誤りとは言えない」とある。新明解国語辞典(三省堂)には、見出し語で「申し訳ない」がない。厳密に言うと、【-(が)無い】と言う形で載っている。例文に、「おみやげまでご用意していただき申し訳ありません」とある。これに関しては私自身も、「申し訳+ない(無い)で考えても良いから、間違いと言うのは正しくはないのだろうな」と感じている。番組中、良い意味でも悪い意味でも細かく指摘していたから、「この辺の変遷や説明はしないんだ」と思っての発言だった。

 次は、「申し訳ない」と「です」の話。「次は」と言っても、番組では出ておらず、その後私がTwitterで言ったこと。「『申し訳ない』の続き。故に、敬語表現にする場合は『申し訳のうございます』か『申し訳ないです』のどちらか。古い人に言うと、後者も認めないかもね」と発言した。ここにも、噛み付かれた。これについては、昭和27年(1952年)に国語審議会が当時の文部大臣(天野貞祐)に建議している。その7番目に「これまで久しく問題となっていた形容詞の結び方――たとえば、「大きいです」「小さいです」などは、平明・簡素な形として認めてよい」とある。この話は、発言した当時(2014年3月9日)に知っていた。知っていたから、「古い人に言うと、後者も認めないかもね」と加えた。別に、「これが正しいんだ」と言う意味ではなく、「そのような経緯があったのよ」という意味で発しただけのことである。

 ……と、誰に宛てるでもないことを意味もなく記してみる。この話、「申し訳ない」を「とんでもない」にすると分かりやすくなるかもしれない。「申し訳」だと一つの言葉としての独立性が強いが、「とんても」だとそれが薄れる。とは言え、「とんでもございません」も間違いとは言い切れないかな。一応、そんな原則や変遷がある、と言うこと。

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