『おざなり』と『なおざり』

 『夏子と千和のツンピリラジヲ』を聴いていたときのこと。桑谷夏子さんが、『おざなり』と『なおざり』の話をしていた。桑谷さんがある小説を読んでいて、「おざなり」だったか「なおざり」が頻繁に出てきて、その片方のみを聞いて育ってきた彼女は「印刷ミスだ」と思ったそうだ。後に調べて、「どちらも同じ様な意味」と理解したそうだ。これを聞いて私は、「厳密には違うんだけど、彼女は言葉のプロだからきっと、そこも調べ上げているに違いない」と思い、番組にはメールなどを送らずに備忘録的にここに記してみる。

 まずは、『おざなり』と『なおざり』の意味を確認する。『おざなり』は、「いいかげんに物事をすませること。その場だけの間に合わせ。また、そのさま」(デジタル大辞泉より引用)。『なおざり』は、「いいかげんにしておくさま。本気でないさま。おろそか」(同じくデジタル大辞泉より引用)。結論を分かっている人からすると、「微妙に違うな」と分かるが、同じ意味と認識している人からすると、「同じだな」と思える表現である。では、語源について調べてみる。

 『おざなり』は『お座(敷)の形(なり)』が元だそうで、「形だけは取り繕った言動」と言う意味が含まれてくる。『なおざり』は『なほ(直・猶)+さり(去り)』が元で、『なほ』が「そのままにして何もしないこと」を、『さり』が「遠ざける事」を意味する。二つを合わせると、「そのままにして何もせず、遠ざけてしまう」になる。どちらも「いいかげん」であるのだが、『おざなり』の方が形を取り繕うだけとは言え、何某かのことはしている。それに対して、『なおざり』は「何もしない」と言う意味が強くなる。だから、『おざなり』は「すること」についての「いいかげん」であり、『なおざり』は「しないこと」によって「いいかげん」になることである。その様に言って、大きな間違いは含んでいないと思われる。

 文章が長くはなっていないと思うが、分かりやすくはないな(苦笑)。とりあえず、二つの元を頭に入れておけば、後は三段論法よろしく、色々と結論の部分には辿り着けるはず。そんな、『おざなり』と『なおざり』の話。多分、有名な話だよな、これは。くれぐれも、夏休みの自由研究の課題などにしないように(笑)。

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