本当の『完敗』:湘南ベルマーレ対ガンバ大阪@平塚(2010年5月16日)

 チケットを買いそびれていてテレビ観戦を決めていた、湘南ベルマーレ対ガンバ大阪の試合を見に行ってきた。友人が指定席の招待券を貰い、事前に購入していた自由席券が余り、それを譲ってもらった。そう言う形で見た、この試合の感想。

 まず、この試合は『三角形』と言うテーマを持って見る事にした。多分、サッカーの基本の一つだと思うが、ボールを持ったら三角形を保ちながら攻める。三角形を保つとパスコースが二つ出来、ボールを失い難くなる。ボールを失わなければ、攻撃は続く。その三角形の頂点が移動しながら相手ゴールに迫ると、所謂、人とボールの動くサッカーとなっていく。これを考えたきっかけは、横パス。横にパスを出すと言う事は、前にパスを受けるポイントのない事を意味する。三角形が出来ていれば、前にポイントがある。つまり、横パスは三角形を保てていない証拠。そんな風に考えた。

 さて、両チームのメンバー。ベルマーレは、GK松本拓也、DF臼井幸平、山口貴弘、村松大輔、小澤雄希、MF田村雄三、ハン・グギョン、坂本紘司、FW中村祐也、田原豊、阿部吉朗が先発。控えは、GK金永基、DF島村毅、遠藤航、MF寺川能人、馬場賢治、FW新居辰基、三平和司。ガンバは、GK藤ヶ谷陽介、DF加地亮、中澤聡太、山口智、安田理大、MF明神智和、遠藤保仁、二川孝広、ルーカス、FW平井将生、宇佐美貴史。控えは、GK木村敦志、DF高木和道、下平匠、MF菅沼駿哉、佐々木勇人、FW武井択也、大塚翔平。布陣は、ベルマーレが4-1-2-3、ガンバが4-2-2-2。ガンバの方は、何とも言えない。少なくとも、3バックでは無かったと思う。

 試合の序盤は、ベルマーレが物怖じする事無く、ガンバゴールに迫っていく。勿論、個人の力に差があるから、攻め込む回数は多くない。しかし、ボールの奪い合いで負けることも少なく。混戦の中からベルマーレの選手がボールを持って出てくる事もあった。そう言う意味では、互角であった。そして、先制点はベルマーレが挙げる。11分、右サイドの中村祐也から左サイドの阿部吉朗に大きなサイドチェンジのボールが出る。それを、阿部が切り込んで行きシュートを放ち、ゴールネットに突き刺した。珍しくと言うと語弊があるが、珍しくサイドチェンジを使ってノーマークの選手を作り出した。片方に圧力を掛け、反対側を薄くし、そこを突く。まるで、ガンバのサッカーの様であった。まあ、この試合でも、ガンバはガンバのサッカーを見せていたけど…。

 その証拠の一つが、『三角形』。まるで、「ベルマーレが先制するのは予想された事」と言わんばかりに、落ち着いてゲームを作ってくる。ベルマーレがボールを奪うと、最初は三角形が出来ているのだが、その内になくなってしまう。ベルマーレは、どうしても、押し込まれてしまうので、前に居る選手も自陣深くに戻ってくる。その為、そこからボールを奪って前に行くとなると、周りの選手が近くて横に一直線なところにいる事も少なくない。だから、三角形が保たれ難い。それに対して、ガンバは引かない訳ではないが、奪った後にボールを奪われない自信があるのか、綺麗な三角形を保ちながら人とボールが前に行く。重要なポイントが消された場合は、後ろに戻してやり直す。重要なポイントがあれば、そこにパスを入れる。何とかベルマーレが潰すものの、こぼれ球はガンバに行く。徐々に、波状攻撃の形が出来上がっていく。そして、ベルマーレが同点ゴールを奪われる。

 41分、中央に居たルーカスにボールが入り、それを平井に出す。それを平井がシュート。これがベルマーレゴールに収まった。ルーカスが危ないところに入ってボールを受ける事は少なくなかった。しかし、ベルマーレも想定していたかのように対処して、ゴールに繋がるプレーはさせていなかった。しかし、この時ばかりは、力ずくでゴールをこじ開けられた。この場面は“ゴリ押し”だったが、それ以外は落ち着いてボールを繋ぎ、ベルマーレの守備ブロックを崩しに掛かっていた。その落ち着きが、フロンターレやレッズとは異なっており、とても嫌な感じになっていた。直後にベルマーレがペナルティキックを得、坂本紘司が外してしまう。多分、これが分水嶺だったとは思うが、私はこれが決まっていても、ひっくり返されるのは時間の問題だと思った。それほど、ガンバの落ち着きは嫌なものだった。前半は、1-1で折り返す。

 後半も、立ち上がりからベルマーレが互角に戦う。ボールは支配されるし、押し込まれもする。でも、「何も出来ない」と言う事は無く、競り合い、ボールの奪い合いで負ける事は多くは無かった。が、勝ち越し点はガンバに入る。55分、ガンバの左コーナーキックから、ルーカスが頭で合わせてゴール右隅に入れる。現地ではオウンゴールとコールされたが、記録を見るとルーカスのゴールになっている。こちらも、ガンバの個人能力で取られたもの。でも、綺麗に三角形を保つ動きで攻めて奪ったコーナーキックだから、組織力でも上回られていたと言える。完全な『力の差』と言えよう。それでも、ベルマーレの選手は怯む事無く“巨人”に立ち向かってはいた。しかし、追加点をガンバに奪われる。

 横パスを続けていたベルマーレディフェンスからガンバの選手がボールを奪う。記録を見ると、14→9→14と言う流れになっているから、平井将生がボールを奪ったのだろう。ガンバにお株を奪われるショートカウンターを受けて、3点目を取られた。これでも、この日のベルマーレは下を向く事無く、“巨人”に立ち向かっていった。しかし、技術と経験を持ったチームに落ち着きを持たれてしまうと、何も出来ない。前後するが、61分に中村祐也→三平和司、71分に坂本紘司→馬場賢治、81分に田原豊→新居辰基と交代カードを切って、状況の打開を図る。しかし、幾つかのチャンスは作りながらもゴールには至らず、そのままタイムアップを迎えた。1-3で“巨人”の前に跪いた。

 この日のベルマーレは、何も出来なかった訳ではない。そして、大きなミスをしたとも言えない。アップセットに必要と思われる先制点も奪ったし、果敢に挑戦する姿勢も失わなかった。しかし、それ以上にガンバが落ち着きを見せ、それに対処した。フロンターレも、レッズも、焦って“個人技のゴリ押し”を見せた。しかし、この日のガンバはそれを見せなかった。あくまでも、高い技術に裏打ちされた組織で相手を攻め、そして、崩し切った。ガンバのその姿勢に感服している。多分、目指しているところはベルマーレも同じだと思う。すると、個人の技術と経験の差がそのままチームの差となる。そう言う、『1-3』だったと思う。今季の試合の中では、一番、力の差を見せつけられた試合だった。でも、挑戦する姿勢を失わなかった。そこが、大きな前進の証だと思う。今は、強がりにしか聞こえないだろうけど…。

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