サッカーIQの低いプレー:川崎対湘南@等々力(2010年5月1日、テレビ観戦)

 1日に等々力競技場で行われた、J1公式戦第9節、川崎フロンターレ対湘南ベルマーレの試合をテレビで観戦した。その感想。

 ベルマーレの先発は、GK野澤洋輔、DF臼井幸平、阪田章裕、村松大輔、小澤雄希、MF田村雄三、ハン・グギョン、坂本紘司、FW寺川能人、田原豊、阿部吉朗。控えは、GK松本拓也、DF古林将太、島村毅、MF永田亮太、FW新居辰基、中山元気、三平和司。フロンターレの先発は、GK川島永嗣、DF森勇介、井川祐輔、寺田周平、小宮山尊信、MF谷口博之、中村憲剛、田坂祐介、FWヴィトール・ジュニオール、黒津勝、レナチーニョ。控えは、GK杉山力裕、DF伊藤宏樹、佐原秀樹、MF横山知伸、木村祐志、FW楠神順平、登里享平。布陣は、共に4-1-2-3の模様。

 前半の序盤は、…と言うか、前半はほぼ互角にベルマーレはフロンターレに立ち向かった。個人の力の差はある為、押される事は多かったが、「一方的に押し込まれる」事は無かった。むしろ、フロンターレの疲労に乗じて、良く攻め込んでいたと思う。その象徴が先制点。29分、右サイドで寺川能人がボールを保持し、外に回った臼井幸平に預ける。臼井幸平がそのまま中に上げて、阿部吉朗が右足のオーバーヘッドで決めた。寺川が相手を引き付け、臼井と阿部にスペースを作り、それを利用した得点だった。これが、フロンターレに焦りを呼んだのだろう。その後、フロンターレがシュートを放つも、ことごとく、枠を外れる。

 ただ、それも長くは続かない。37分、左サイドからヴィトール・ジュニオールがクロスを上げる。これはゴール前を横切り、ゴールラインを割るかと思った。そこに、レナチーニョが足を伸ばしてゴールへとボールを向ける。それが決まって、フロンターレが同点に追い付く。ベルマーレの守備が完全に崩された訳ではないが、ある意味、“個人の力”を利用したフロンターレのゴールではあった。この直前に、阪田章裕が味方選手との交錯で負傷し、島村毅と交代していた。その辺の混乱はあったのかもしれない。ただ、それが「決定的な要因」とは言えないものだったとは思う。「相手が凄かった」としか言いようが無い。

 しかし、この状態も長く続かない。39分、ベルマーレのディフェンスラインからロングボールが出る。それに阿部吉朗が反応し、フロンターレディフェンスの裏を取った。マークに付いていた井川祐輔が阿部吉朗を倒して、ベルマーレがPKを得る。キッカーは、ファールを貰った阿部吉朗ではなく、坂本紘司。彼がゴール中央に蹴りこんで、ベルマーレが再びリードを奪う。崩されては居なかったものの、アウトサイドから攻められて、「力ずく」に見えるような同点ゴールを取られた直後の得点だったので、その時点でのベルマーレにとってはとても有り難いものだった。この様に、割と忙しい流れの中で前半を終える。そして、本当にベルマーレは互角に戦った。

 後半は、ベルマーレがフロンターレの反撃を遅らせる為に序盤から攻めに出る。最初にシュートを打ったのも、ベルマーレだったと思う。しかし、それが上手く行かなくなると、徐々に引き始めた。この「引き方」が悪いものだったと思う。Fマリノスやレッズ相手にされたようなものとは異なっていたが、少し自由にさせ過ぎて、その結果、走り回らされていたと思う。肉体的な疲労の溜まり方が後半の10分から15分に加速されるのかどうかは分からないが、一般的に言われる試合開始後60分(後半15分)に疲労がピークを迎える直前で、より強い負荷を掛けられた(掛けさせた)とは言えると思う。多くの人は、この後の“あるプレー”で流れが変わったと思っているだろうが、私はここに伏線があったと考えている。兎に角、ベルマーレは引き過ぎていた。

 その“あるプレー”は、64分に起こった。フロンターレの左サイドバックの小宮山尊信が中盤の選手にボールを預け、そのままリターンパスを受けようと、左サイドの前へと走り出した。パスは彼が思ったように戻ってきて、そのまま中央か右サイドへ流そうとした。そこに臼井幸平が飛び込んで、小宮山尊信の足を削った。このプレーで、臼井幸平は一発退場となった。先程の“引き過ぎた時間帯”でも、臼井幸平は割りと冷静に守備の対処をしていた。しかし、このプレーは本当に“お粗末”だった。私は、「それまで、“飛び込まない守備”が出来ていたのに、何故、この時だけ出来なくなった」と残念な気持ちになった。

 引き過ぎとは言え、もう少し1-2(ホーム左側)の状態が続けば、過密日程のフロンターレは疲れと焦りで、とても強いチームとは思えないプレーを続出したかもしれない。しかし、臼井幸平の退場でフロンターレは落ち着きを取り戻し、ベルマーレは苦境に追い込まれた。そして、ベルマーレはフロンターレに抗する力を失っていく。68分、レナチーニョ、73分、小宮山尊信、89分中村憲剛と3ゴールを決められ、4-2と逆転された。レナチーニョのゴールは、サイドを崩されて中央での混戦で決められたもの。小宮山尊信のゴールは、ゴールの可能性の高いカウンターから彼の個人技で決められたもの。中村憲剛のゴールも、サイドから崩されて、フリーになった中村に高い個人技と判断力を見せ付けられたもの。キチンと、“強いチームのプレー”を見せ付けられて逆転された。

 表面上の大きなポイントは、やはり、臼井幸平の退場だった。しかし、その直前に「引き過ぎの守備」と言う伏線のあったことを見逃してはならない。ここまでに払っていた “高い授業料”は、そこだったのではないか。また、前節のベガルタ戦(@平塚)でも終了間際に馬鹿みたいに2点目を狙いに行って危ないカウンターを浴びた。その様な“判断の悪さ”が、逆転負けを呼んだ。野球では“野球IQの低いプレー”があるそうだが、この場合は“サッカーIQの低いプレー”と言えよう。それで流れを失った。最初から出来ていなかったのなら、「仕方ない」で片付けられる。でも、出来ていただけに残念でならない。でも、「出来ていた」のも事実。それが増えているのも、間違いないだろう。それを増やし続ける努力をするしかない。“高い授業料”を払うのは、これで最後にしよう。

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