強烈な意思の放出により得たもの(水戸対湘南@ケーズデンキスタジアム)

 12月5日にケーズデンキスタジアムで行われたJ2リーグ公式戦第51節、水戸ホーリーホック対湘南ベルマーレの試合を見に行ってきた。その感想みたいなもの。

 平塚を午前6時に出て、ケーズできスタジアムに着いたのは午前9時頃。携帯から送った記事は、メインスタンド入場口に並んだ時のもの。空は、曇り。予報では午後から雨であった。“雨よけ”の折りたたみ傘を持ってきていたので、「試合中は降らない」と信じて開門を待っていた。着いた席から見えていた風景は、以下の写真のようなもの。なるべくアウェーゴール裏席に近いところにした。スタンドを見渡したところ、やはり、湘南サポーターの出足の方が良い。水戸も“爆心地”となるサポーターはバックスタンドに入っており、ゴール裏の芝生席はガラガラ。それに対して、アウェーゴール側は満杯。テレビのアングル次第では、「ここは湘南のホーム?」と思わせたであろう。入場者数が5500人。恐らく、3500人は湘南サポーターが占めていたと思う。そんな中、試合が始まった。
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 湘南のスターティングメンバーは、GK野澤洋輔、DF臼井幸平、ジャーン、村松大輔、島村毅、MF田村雄三、寺川能人、坂本紘司、FWアジエル、田原豊、阿部吉朗。リザーブメンバーは、GK植村慶、DF阪田章裕、MF永田亮太、猪狩佑貴、FWリンコン。新婚の山口貴弘は怪我、前節までスタメンだった中村祐也も怪我でベンチ外れ。クラブの公式発表はないが、その様な情報は得ていた。それでも、始まる前は「“平塚の星”猪狩佑貴が劇的なゴールでも決めないかな」とお気楽なことを考えていた。が、始まってみると水戸に強烈なパンチを見舞われる。

 立ち上がりこそ変な動きは見えないと思っていたが、やはり、ディフェンス陣は「点を取られたくない」と考えていたのだろうか、積極的な守備が見られず、相手選手のペナルティエリア内への侵入を許したり、体を入れ替えられたりして、徐々にピンチが増えていった。そして、20分、左コーナーキックから水戸の30番、中村英之のヘディングシュートで先制される。その前にも、右サイド(湘南の左サイド)からドリブルでの侵入を許し、バーをたたくシュートを許したりしていた。正に、「点を取られるのは時間の問題」であった中での失点であった。

 湘南の失点は、これで収まらない。続く21分、ペナルティエリアの左サイド(湘南の右サイド)に荒田智之の侵入を許し、村松がそれを押さえ切れず、パスを出される。そこに走りこんできた森村昴太が豪快に蹴りこんで2点目を取られる。実は、細かい場面の記憶は残っておらず、家に帰ってきてから見たダイジェスト映像でその内容を確認した。しかし、現地でも考えていた、「ボールとゴールの間に体(≒守備側の選手)が入っていないな」がハッキリと確認できた。先制されたコーナーキックのヘディングも、このシュートも、シュートの瞬間にボールとゴールの間に湘南の選手が入っていない。故に、湘南の選手は硬くなっていたと言える。しかし、何時ものように、私は「点を取られりゃ、目が覚める」と思って試合を見ていた。2点目は、少しだけ“想定外”ではあったが…。

 湘南の反撃は、30分。守備は「シュートを打つ元の、ボールを奪う守備をするしかない」となったようで、徐々に湘南の選手が前に行けるようになっていった。右サイドから寺川能人がゴール前に上げる。それに対して阿部吉朗が反応してヘディングシュートを放つ。これは相手キーパーのファインセーブに遭うが、そのこぼれ球が田原豊に転がる。田原が“親の敵を討つ”ように力強く蹴りこんで1点を返した。これで雰囲気と気持ちが変わったようで、湘南が怒涛のように攻めていく。

 2点目は、34分。恐らく、坂本紘司が左サイドを上手く抜け、ファールをもらったと思う。そこからのフリーキックを寺川能人が上手くゴール前に上げ、阿部吉朗が頭で押し込む。水戸のコーナーキックも、この湘南のフリーキックも、守備側がシュートを打った選手のマークを外していた。攻撃側が上手かったのか、守備側が下手だったのかは素人の私には分かりにくいが、現象面として言えることは「ボールとゴールの間に体を入れていないと点を取られやすくなる」と言うこと。お互いが、その様な場面を見せていた。別に、両チームへの批判ではなく、「点を取られるときの形、裏返すと、点を取るときの形はあるのだな」と再認識しただけの話。

 その後、終了間際に荒田のヘディングシュートがバーを叩き、そのこぼれ球に反応した荒田のシュートを村松がはじき出すピンチがありながらも、前半を2‐2で折り返した。実は、このシュートが湘南の2点が入るよりも前の出来事だと思い込んでいた。だから、現地では「これが決まっていたら、湘南の選手は気持ちが落ちていたに違いない」と思っていた。しかし、振り返ってみると、「反撃の狼煙を上げ、同点にも追い付いたのに3点目を取られていたら変な空気になっていたはず」と思い直している。甲府の状況は、敢えて、無視していた。私が変なことを考えたら、選手に悪いように伝染する。そんな影響力などないことは分かっていたが、サッカーは心理ゲーム。何が作用するかが分からない。「甲府は勝つもの」と考えていたから、このシュートブロックが大きかった。

 後半は、「やはり、ホームの水戸が前に出てきて」とか「湘南が勝利を収めるべく、前に出て行って」と言うことをまるで覚えていない。ただ、ダイジェスト映像を見ると、水戸のシュート場面から始まっているので、多分、前者だったのだろう。しかし、前半とは“危なさ”が異なっていた。どフリーで中村英之がヘディングシュートを外しているのは除かなければならないが、そのほかの場面ではキチンと体が入っていたと思う。故に、野澤の好セーブも出ていたと言える。そして、湘南が勝ち越し点を決める。53分、右サイドから坂本紘司が左足でクロスをファーに上げる。そこに阿部吉朗が飛び込んで頭で押し込む。この3点目に付いては、素直に喜んでいる。「良く、2点差を押し返して、勝ち越した」と。仮に、水戸の守備に不備があっても、攻め込む側の湘南の意志が強烈でなければ、ゴールが決まらないこともある。そう言う意味において、“強烈な意志の放出”がこれを呼び込んだと思っている。

 やはり、ここからが長かった。やはり、「選手たちが“守りに行く”のではないだろうか」が心配だったから。その様な姿も、見られないことはなかった。しかし、74分の島村毅の強烈なミドルシュートが象徴しているように、彼らは4点目も狙いにいった。個人的には「後半35分過ぎから、強烈な緊張に襲われるのではないか」と思っていたのだが、先にも書いたように島村のミドルシュートなどが見られ、それは意外と少なかったようだ。それも、試合が2‐3と殴り合いになったことが大きかったのだろう。最後は、湘南が上手くボールを支配してタイムアップを迎えた。2‐3で湘南の勝利。これで、来季のJ1昇格を決めた。

 試合終了後、ピッチに倒れて喜ぶ選手もいた。そして、サポーターはスタンドで歓喜の声を上げている。選手とスタッフが、バックスタンドからゴール裏、メインスタンドへと歩いて、サポーターに感謝の挨拶をしていた。やはり、ゴール裏が熱く、ジャーンが、紘司が、そして、雄三がサポーターに感謝のガッツポーズを示していた。そして、長い、長い“勝利のダンス”。皆が、喜びを爆発させていた。水戸のホーム最終戦で、色々とセレモニーもあったようだが、それを少し遅らせてしまっていたようだ。ここには、水戸側に感謝しなければならないだろう。かく言う私は意外と冷静で、涙を流すことも無く、その光景を眺めていた。行く前の方が「もし、目の前で決まったら、どうなるのだろうか」と心配していたのだが(笑)。現場に来たことで満足して冷静にはなれていたのではないか、と思う。兎に角、嬉しい湘南のJ1昇格決定の場面であった。


【補足の蛇足】
 試合終了後、勿論、選手の出待ちをしていた。多くのサポーターが、選手バスを囲んでいた。選手が出てくるたびに、歓喜の声を上げる。そして、午後8時ごろから平塚競輪場で昇格報告会も催された。勿論、そちらにも参加した。色々とあって、少し遅れてはしまったが。前者は位置取りが悪かったこと、後者は遅れたことで、その模様を録音してはいない。途中からでも、記録に残しておけばよかったかな、と後悔はしている。でも、歓喜の瞬間を録っているのだから、贅沢を言ってはいけないな(笑)。

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この記事へのコメント

HIRON
2009年12月06日 18:02
昨日はお疲れ様でした。
自分もバス応援組でした。
2点取られて、ようやく
いい意味での開き直りが
生まれたのでしょうか。
そこからは、いつもの
ベルマーレだったような気がします。

ゴールと相手の間に体を入れること、
は確かに重要だなと自分も録画を見て
感じました。

何はともあれ2009年シーズンも
終わり、J1昇格が出来てほっと
して過ごした日曜日でした。
2009年12月06日 19:27
HIRONさん、コメントを頂きまして有難う御座います。そして、お疲れ様でした。

試合前は、「どうせ硬くなるだろうから、水戸に先制パンチをもらって目を覚まさせてもらった方が良い」と、聞く人が聞けば、マゾと思うようなことを考えていました。結果としては、その様になりましたね(苦笑)。何か、色々なものに囚われてはいたようです。

「ボールとゴールの間~」の話は、現地ではハッキリとは確認できませんでした。しかし、体が入れ替わるのは良く見えたので、「おいおい、相手と自分のゴールの間に体を入れるのは基本だろ」と思っていました。この辺も、緊張から来るものだったのでしょうね。やはり、この時の湘南の選手はおかしかったようです。

雄三のブログにもありましたが、多少、二日酔い気味です。まあ、これも「余韻を味わっている」と言うことで(笑)。記事が遅くなったのは、これが理由です。今後とも、ご贔屓に。

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