湘南ベルマーレ対バサジィ大分@小田原アリーナ

 小田原アリーナで行われたフットサルのプロリーグ、Fリーグ公式戦、湘南ベルマーレ対バサジィ大分の試合を見に行ってきた。フットサルに特に強い興味があった訳ではないが、とりあえず、湘南ベルマーレの試合で会場もそう遠いところでもなかったので見に行ってみた。その観戦記と言うか感想文と言うか、そんな様なもの。

 会場の小田原アリーナは、小田原市中曽根にある。東に酒匂川、北に丹沢平野を望む場所にあり、最寄り駅は小田急電鉄の蛍田(正式名称は旧字体の『ほたる』)か富水(とみず)。小田原アリーナのホームページ(小田原市が開設しているもの)を見ると、どちらの駅からも徒歩で15分とある。私は、JR東海道線を利用した為、小田原に近い蛍田から行った。駅を出て踏み切りを渡り、線路沿いから北へと出る道を歩いていく。1キロほど北上すると大きな通りに交わる。そこを右折し、その先の丁字路を左に曲がると小田原アリーナが見えてくる。アリーナの南側には東富水小学校があるので、それを目標にすると迷い難いだろう。アリーナの周りは、極一般的な住宅とのどかな田園風景が広がる。この日は天気があまり良くなかったが、晴れていると気持ちの良い景色が広がる事だろう。ただ、意外と距離はあるので、それなりの覚悟はした方が良い(笑)。

 アリーナ自体は、敷地内の小高いところにある。入口へとつながる坂を登って正面に見える扉の脇にある入口から会場へと入っていく。そこに足を踏み入れていないから分からないが、最初に見た扉は、恐らく、関係者用の入口になっていたのだと思う。奥を見ると、机で仕切られているだけでつながってはいたから。入場者用の入口の脇で当日券を販売していた。席種は、指定ゾーン(所謂、指定席)と自由席の2種類。当然、私はホーム側自由席を購入して中へ入る。受付でマッチデイプログラムと湘南ベルマーレのフリーペーパー『MARE』の第2号を受け取る。因みに、『MARE』の第2号はこれで2冊目。平塚競技場のJリーグ公式戦でも受け取っている。

 それらの冊子を手にメインアリーナへと入っていく。アリーナは、バスケットボールコートが4面ほど取れる大きさ。この数字は家に帰ってきてからホームページで確認したものだが、現地でフットサルコートの両サイドに1面ずつのバスケットボールコートがあるのを見て、「これは、大きい会場だな」と感心していた。アリーナの形状は、入口から見て縦長になっている。通路はぐるりと1周しているが、座席があるのは入口の面以外の3面だけ。対面の席に“熱きサポーター”が陣取っていた。入口から見て左側が自由席、右側が指定席になっている。私は、左側に回っていった。自由席は、手前がアウェー、奥がホームになっていた。ややホーム側のコートによったところの席に着いた。自由席は椅子席とアリーナ席があった。アリーナ席は、本当にコートサイドにあり、間近に選手を見られる。しかし、それほど強い興味を持っていない私は、椅子席の割りと後ろの方(=高い方)に座った。初めての観戦だから、コート全体を見渡せる場所にしてみた。この席が後に軽い後悔を覚える事になるのだが…(苦笑)。

 この日は、湘南ベルマーレのゴレイロ(サッカーで言うゴールキーパー)の阿久津貴志選手が吉本興業所属でもあると言う事で、吉本興業の芸人たちのイベントが行われた。吉本興業自体でもフットサルリーグを催しているそうで、その中の『鴉(からす)』と『シカゴブル』と言うチームが来て前座の試合を行った。スコアは忘れたが、『鴉』が勝った。芸人らしからぬ真剣な試合になっていたが、細かいところでは笑いを取りにいっていた。会場内に『安西監督』(コミック『スラムダンク』の登場人物)と『死神 リューク』(コミック『デスノート』の登場人物)に扮した芸人を配し、「あっ、あんなところに『安西監督』が居ますよ」とか「あっちには『リューク』が居る」と会場を巻き込む形で盛り上げていた。会場には割りと年端の行かない子供たちが多くいたので、理解はされなかったと思うが(笑)。

 この前座が終わると、両側にあるバスケットボールコートでウォームアップしていた両チームの選手がコートに入ってきて、試合直前の練習を始めた。一回り小さいボールを巧みにコントロールしていた。足元の技術が全てを決めると言っても過言ではないので不思議ではないのだが、改めて、その技術の高さに感心していた。芝とコート、フットサルボールとサッカーボールで何らかの違いはあるのだろうが、Jリーグの湘南ベルマーレの試合前練習ではボールの収まらない事が多いので、余計に感心していただけだと思うが(苦笑)。この練習で気になったのが、浮き球のパスを良く行っていた事。足の甲に乗せる様にしてフワッと相手にパスをする。このパスの練習が見慣れないものだった。まあ、試合が始まるとその理由が良く分かったのだけど。

 一旦、両チームが控え室に戻った。最後のミーティングでも行ったのだろう。そして、試合開始10分前に再び選手たちが入ってきた。最初に入ってきたのは、アウェーのバサジィ大分から。スターターは、松田マルシオ、濱大樹、中村正幸、青柳佳祐、千綿リカルドの5人(メンバーとポジションはベルマーレのホームページより引用、敬称略、青柳がゴレイロ)。続いて、ベルマーレの選手が入ってくる。ベンチスタートのメンバーが先に入り、スターターの5人が個別に紹介されてながら入ってくる。この日のスターターは、伊久間洋輔、岡田ジオゴサントス、沖村リカルド、大地悟、阿久津貴志(阿久津がゴレイロ)。

 そして、大分ボールでキックオフ。「さあ、どんなに速いプレーを展開してくれるんだ?」と思っていると、意外にゆっくりと試合は進む。勿論、コートは狭いし人数が少ないので選手は激しく動き回る。しかし、年がら年中動き回ってパスを出したりドリブルをしたり、と言う事ではなかった。最後尾の選手にボールを預けて両サイドに選手が散り、最前線の選手が相手の守備と駆け引きをする。この様な場面はサッカーの試合でも良く見られる(テレビ中継では前線の動きが全く見えなくなるけど…)。ただ、前線にボールを入れると一気に激しくなる。基本は1対1での攻防になるが、周りの選手が動いてパスコースを作ったりワンツーの機会を伺ったりする。この辺もサッカーと同じと言えば同じなのだが、コートが狭い事と人数が少ない事で動きがより激しくなる。この様に緩急の激しいスポーツだとは思わなかった。

 意外だったのは、ロングボール。コート上にはゴレイロを含めて5人しか居ない。だから、守備も攻撃も全員が行う。完全に確認できた訳ではないが、守備はハーフコートが基本で、状況に応じてゾーンとマンツーマンを切り替える。更に、攻めに転じなければならない時と得点直後に追い打ちを掛ける時にフルコートディフェンスをする。ゾーンディフェンスもするとは言え、4人のフィールドプレーヤーしか居ないから1対2の守備は先ず行われない。基本が1対1になる。だから、「ドリブルの仕掛け」が多く見られ、協力して相手を抜くときは「ワンツーパス」を多用すると思っていた。しかし、それらは意外と少なく、ゴレイロ、又は、最後尾選手から前線へロングボールを入れてサイドアタックと言うのも少なくなかった。この時に使っていたパスがフワッとボールを上げるもので、練習前によく見られたパスだった。狭いと思っていたコートを広く使うのには驚いた。言葉は悪くなるが、「狭いところでチマチマとパスを回したり、個人技に酔ってドリブルをする」と言う風に考えていた。それは、悪い表現を抜けば、目の前で見られた。しかし、「組み立て」や「展開」も見られた。この辺はサッカーと変わらず、説は複数ある様だが、いずれにしても「サッカー」を起源とするものであるのを感じさせられた。

 プレー以外で気になった事は、時間の計測。会場にはスコアボードと時計がある。その時計はデジタル式で、それを見た時に「コイツは便利だ」と思っていたが、デジタルであるのはそれ以外にも大きな意味があった。バスケットボールと同じ様にボールデッドになると時計が止まる。審判がプレーの再開を示さない限り、時計は進まない。だから、「ロスタイム(インジュアリータイム)」は無い。最後の1分が過ぎると、10分の1秒表示に変わる。そして、終了直前に勝っているチームのサポーターからカウントダウンの声が上がる。バスケットボールの試合を見に行っていれば何と言う事は無いのだろうが、見に行った事のない私には新鮮だった。更に、タイムアウトもあった。後半の終盤に差し掛かったところで大分がそれを取った。決められている回数を知らないが、この試合では大分の1回が見られた。

 試合は、4‐0で湘南が大分を下した。得点者は、関新、沖村リカルド、奥村敬人、岡田ジオゴサントスの4人。印象に残ったのは、奥村と岡田の得点。奥村は豪快なミドルシュート、岡田は技ありのロングシュートだった。後半の10分、前線にボールを入れた湘南はそこでキープ。タメを作り、後ろからフォローに来た奥村へ渡す。それを直接蹴りこんでゴール。練習中からその様なシュートを見せていたので意外ではなかったのだが、お目に掛かれるとは思わなかった。岡田の得点は、大分のパワープレーに乗じたもの。相手ゴレイロからのパスをカットした湘南は右サイドに居た岡田へパスを出した(か、ボールが流れていった)。それをポーンと相手コートへと蹴った。それがそのままゴールに収まった。こちらも、パワープレーが始まった時から「大分が攻めをしくじれば、一気に1点が入りそうだな」と思っていたので意外ではなかったが、それこそ、あんなに上手くいったものを見られるとは思わなかった。

 これが、初めてのフットサル観戦記。サッカーと違うと言えば違うし、違わないと言えば違わない。ただ、Jリーグの選手達よりは「上手いな」と思ってしまった(笑)。まあ、ボールも場所も異なるから単純に比較は出来ないのだけど。ただ、Fリーグの方は初代王者を目指しているそうだからレベルは高いのかもしれない。それはさておき、試合の中身の方は面白かった。会場の雰囲気も良い。後は会場の場所だけ。もう少し最寄り駅から近ければな…と思う。この試合は湘南が勝利したから帰りの駅までの道程は短く感じられたけど、もし、負けていたら…(苦笑)。また、機会があったら見に行ってみたいとは思っている。


【補足の蛇足】
 さて、文中の「後悔」の話。私が座ったホーム側自由席は、実は“熱い”席であった。前座、練習の時は特に何も感じなかったが、練習が終わり選手が入ってくると言う時に、前に居た人たちが何やら緑と青の細長いものを座席の前に置いた。そして、ベルマーレのユニフォームを着て頭にアフロかつらを被りフラッグを挿した人が「すいません、選手が入ってきてから少しの間、大きなフラッグを出します」と言い出した。平塚競技場でバックスタンド側に大きな湘南のフラッグが出る。そのフラッグをその席で出すと言うのだ。「ありゃ、コイツはちょっと参ったな」と思ったが、直ぐに、「でも、滅多に経験できるものではないから良いか」と考え直した。結局、選手紹介がされた後、キックオフの直前に少し出されただけだから、「何だよ、登場シーンが見られなかったよ」と言う事は無かった。まさか、あんな事まで経験できるとは思わなかった(笑)。

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